ローマ帝国の初代皇帝のアウグストゥスの言葉と言われる”ゆっくり急げ”のラテン語
がFestina lenteです。開高健はこれを悠々として急げと訳しました。私自身はこれ、
凄く良い言葉だと思っています。日本語で言えば急がば回れになりますか。
ことわざの常として、真逆の意味のことわざがあります。Festina lenteの真逆の言葉に
"巧遅は拙速に如かず”というのがあります。孫子の兵法にあった言葉だそうです。
ぐずぐず遅いのはたとえ巧くいっても、速く拙いより悪いって事ですね。
ですが、これは真逆のようで実はちょっと違うものだと私は思っています。
Festina lenteは心の持ちようを言ったもので、焦らず心に余裕をもって動きなさいと
諭しているもの。巧遅は拙速に如かずは逡巡しているなら、まず動く事です。と行動の
規範を示しているもので、一見真逆に見えますが中味を吟味すると違っているのです。
思いついたら即行動する(遅きに失してはいけない)しかし動き出したら心に余裕を
持って悠々として急ぎなさいと考えたらどうでしょうか。即行動すれば時間にも心にも
余裕があるから拙い仕事をしないで済む。異変を感じたらどうしようと逡巡しないで
早めに手を打つ。さすれば患者さんの症状を悪化させないで済む。もしトラブルが
起っても、悠々とした心持ちでいれば早くトラブルを解消できる。
がちゃがちゃ焦って動いて物を落としたり壊したりしているあなた、注意して下さい。
いつも心にFestina lenteを持っていようではありませんか。